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健康診断の結果では空腹時の血糖値が正常であるため、「隠れ糖尿病」や「糖尿病予備軍」などとも言われ、ひそかに増加中の『食後高血糖』。またの名を『血糖値スパイク』。
テレビやインターネットなどで耳にしたことがある! という人も少なくないかもしれません。糖尿病の予備軍であると診断されたら、私たちはどんなことに気をつけて日常生活を送ればいいのでしょうか。
血糖値のコントロールに重要な、『食事』『睡眠』『運動』の時間とタイミングに注目してみました。 -
“どんなときに、どんな順番で、どんな速度で食べるか”という「時間栄養学」の考え方が、血糖値をコントロールするうえで注目を集めています。
食事をすれば誰でも血糖値は上昇します。大切なのは血糖値を急上昇させないじょうずな食事の摂り方です。
食事の間隔が長くなると、食後の血糖値が上がりやすくなります。朝食抜きの日常が当たり前になっている人は、昼食後に血糖値が急上昇するリスクが高まります。
できるだけ決まった時間に、きちんと3食摂るようにしましょう。
食べる順番を変えるだけでも、食後の血糖値の上昇をゆるやかにすることができます。
野菜類を先に食べることで、野菜に含まれる食物繊維が、後から食べる糖質や脂質の腸からの吸収をゆるやかにしてくれる作用があるからです。理想的な食べ順は、「野菜 → 肉・魚 → ごはん・パン・麺類」です。
食後の血糖値の上昇には、消化吸収の速さが深く関わっています。
早食いは一気に大量の糖質を体内に取り入れることになるため、血糖値も急激に上がりやすくなってしまいます。家族や友人とゆっくり会話を楽しみながら食事をする、そんな時間の使い方も意識してみてください。
GI(Glycemic Index)とは、食後の血糖値の上昇度合いを示す「血糖上昇指数」のこと。
食品ごとに摂取後2時間までの血中糖濃度を測り、その食品に含まれる糖質の吸収度合いを数値化したもので、グルコース(ブドウ糖)を100とした場合、GIが70以上の食品を高GI食品、56~69の間の食品を中GI食品、55以下の食品を低GI食品としている。
例えば、穀物では精製されていない方がGI値が低いので白米より「玄米」、食パンより「ライ麦パン」や「全粒粉パン」がおすすめ。 -
最適な睡眠時間を確保するようにしましょう。
睡眠不足が続くと、いつもと同じ朝食でも、食後の血糖値が急上昇することが、シカゴ大学が行った研究によって明らかになりました。脳の松果体から分泌されるメラトニンは睡眠を司るホルモンですが、血糖値をコントロールするインスリンの分泌を助ける働きも担っていて、睡眠不足になるとインスリンの分泌量の低下を引き起こしてしまうからと考えられています。
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食後すぐ、血糖値が上昇するタイミングでの軽い運動がおすすめです。
食事をすると、糖質が体内でブドウ糖に分解・吸収されて血糖値が上がります。食後に体を動かすことで、ブドウ糖が筋肉を動かすエネルギー源として盛んに使われるようになるため、血糖値の上昇が抑えられるのです。
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食後の高血糖(血糖値スパイク)は、生活リズムや食事の習慣を少し見直すだけでも改善に導くことができます。
血糖値の異常を引き起こす大きな原因はインスリンの分泌機能の低下ですが、膵臓の負担を軽減することによって、膵臓のインスリン分泌機能を回復させることも可能であると考えられています。
八幡通り歯科マガジン 血糖値コントロール
on 2023年11月1日
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